ありのファームのすぐ近くには、数年前まで杉がたくさん育っていた場所があります。
そこで育っていた杉たちが、あんまり大きくなり過ぎて近隣の田畑の日当たりが悪くなったため、伐採されました。
そのため、大きな切り株がたくさん残されています。
今回は、残った杉の切り株を、除草剤や農薬を使って枯らすのではなく、腐葉土を利用して埋めることで腐らせるわけでもなく、そのまま堆肥として活用する切り株の再利用を実践してみました。
切り株活用術 杉山跡に残った切り株を再利用してそのまま使う
杉林跡地に入っていくと、こんな感じで切り株が放置されています。
周りはセイタカアワダチソウに囲まれ、棘のある野イチゴがちょこちょこ生えていて、手作業でやっていると棘に刺されて結構大変な作業でした。
切り株を活用するための作業の手順は
- 切り株の周りの雑草を刈り取る
- 切り株の周りの宿根草の根っこを整理する
- 枯れ草を敷き詰める
- 米ぬかを撒く
といった感じで進めました。
宿根草の根っこを整理するというのは、セイタカアワダチソウや野イチゴの、ゴボウのように太く育った大きな根っこを取り除く作業です。
せっかく切り株の周りを綺麗にしても、根っこが残っていては春になって暖かくなったとたん、また元通りになってしまうから。
本当は、根っこは全て残しておいた方が、土が耕されて微生物の活動も活発になるので良いのですが、セイタカアワダチソウと棘のある野イチゴの根っこだけは取り除いておきました。
切り株の周りに枯れ草を敷いたところの様子。
切り株の右上の部分に、少しだけ枯れ草の切れ目があるところがありますが、そこにはカラスノエンドウが育っていたので、あえて枯れ草を敷かずにおきました。
カラスノエンドウはマメ科の植物です。
マメ科の植物は、根に根粒菌と呼ばれる団子状の微生物と共生関係を築き、土を豊かにしてくれる力がとても強いので残したいと思い、光合成を妨げないように枯れ草を敷きませんでした。
仕上げに米ぬかをまいて、微生物の活動を促して、完成です。
米ぬかに含まれる栄養素は、微生物たちの栄養になるため、活動が活発になります。
微生物の活動が活発になることで土を豊かにしてもらい、宿根草の根っこをいじって発生させた環境負担のダメージを、回復してもらおうという狙いです。
切り株をそのまま活用することで堆肥効果が期待できる
切り株をそのまま活用することで堆肥効果が期待できます。
あなたは、スマートフォンの下取りサービスというのをご存じでしょうか?
スマートフォンの中には、レアメタルと呼ばれる希少金属が使われており、スマホが故障したり機種変更したりで不要になったときに下取りし、スマホ会社が希少金属を回収し利益が得られるので、新しく購入するスマホの料金を安く(利益分を代金として払う)します、というサービスです。
このサービスは、自然界でも適用されます。
切り株というのは、もとは大きく育った木でした。
その木が大きく育つためには、地中からたくさんの栄養を吸収し、光合成により多くの養分を蓄えてきたはずです。
その集大成が大きく育った木。そして、残されたのが切り株というわけなのです。
つまり、ただの切り株であっても、大木に成長するための養分(スマホでいうところの希少金属)が、その身に詰まっていると考えることが出来ます。
切り株をそのままにしておくことで、雨や風により風化したり、微生物や植物の根により分解されて最後は土に還り、身に蓄えた養分もまた土に還るという理屈です。
切り株(スマホ)を、
そのままにする(スマホを返す=切り株を土に返す)ことで、
堆肥効果が(新スマホ値下げ=お金が貰える=養分が貰える)期待できるのです。
切り株をそのまま利用するデメリットについて
切り株をそのまま利用するデメリットは2つあります。
- 切り株が場所をとる
- シロアリ発生リスク
切り株は、大きく育った木のものであるほど、場所をとってしまいます。
なので、利用したいと思っている場所の面積が小さい場合は、撤去する必要があるかもしれません。
しかし、大きな切り株を撤去するためには、お金や労力をたくさん支払わなければなりませんし、その分環境への負荷も大きくなってしまいます。
もう一つのデメリットは、シロアリです。
切り株がある場所が、家や作業小屋などの建築物の近くであればあるほど、シロアリ発生リスクが大きくなります。
シロアリは、やわらかくなった木を好むため、風化が進んだ切り株に発生しやすいのです。
私が今回作用した場所は、もともと杉林だった場所で比較的広さには余裕があり、近くに建造物は全くなかったため、今回のそのまま活用する方法をとりました。
そうでない場合は、切り株を撤去することを検討してみても良いかと思います。