農業関連本

トマトやナスビやジャガイモの連作障害を防ぐ対策方法

連作障害が起きやすい野菜の種類に、トマトやナスビやジャガイモなどのナス科の野菜があげられます。

一般的に連作障害を防ぐために、2~3年程度の期間を開けなければ、同じ場所に植えてはならないとされています。

同じ作物を同じ場所で植え続けることで、必要な肥料分だけが無くなってしまったり、同じ作物につく病害虫が多くなってしまうなど原因は様々です。

こうした連作障害を防ぐ方法として、畑を休ませたり、輪作と言って植える場所を毎年変えるといった対策方法があります。

ですが、畑の面積が小さい家庭菜園や、毎年トマトを育てたいと考えた場合、どうにか連作障害を防ぐ別の対策方法が必要になります。

そうしたときに有効なのが、コンパニオンプランツを利用したリレー栽培です。

リレー栽培とは、特定の作物を収穫した後、間を置かずに別の作物を同じ場所で栽培することを言います。

トマトやナスビやジャガイモの連作障害を防ぐ対策方法

コンパニオンプランツの本

トマトやナスビやジャガイモの連作障害を防ぐ対策方法のうち、同じ場所で連作を可能にする対策方法が、コンパニオンプランツを利用したリレー栽培。

特定の作物を同じ場所に植えることで起こる、肥料分のバランスが崩れることを、次に植えるコンパニオンプランツで補い、連作障害につきものの病害虫の増加もコンパニオンプランツで防ぐという方法です。

このコンパニオンプランツを巧みに利用した野菜づくりについて詳しく学べるのが、木嶋利男さんの著書、コンパニオンプランツの野菜づくりという本です。

ジャガイモの連作障害を防ぐ対策方法

ジャガイモの連作障害を防ぐ対策方法が掲載されているのは、コラム4:次々に収穫する年間プランのAプランです。

  1. 春にジャガイモを植えて収穫する
  2. 収穫後は枝豆とトウモロコシを植えて収穫する
  3. その後ブロッコリーを植え付けつつホウレンソウ大根ニンジンの種まき
  4. そしてまた翌春にジャガイモを植える

といった混植とリレー栽培の合わせ技で、連作障害が起こるのを防ぐといった対策法です。

これらの作物は、基本的に土にあまり栄養がないような場所でも栽培できる野菜ばかりなので、追肥や土づくりといった作業が必要ないというのも、メリットとして挙げられています。

ジャガイモは、ポタージュにしたり、ポテトチップスにしたり、サラダにしたりと利用の範囲がとても広いので、できれば毎年たくさん収穫したいですよね。

そんなときにコンパニオンプランツの力を借りることで、連作障害を防ぎつつ、同じ場所でずっと栽培できるということで、ぜひ家庭菜園でも取り入れてみることをお勧めします。

トマトやナスビの連作障害を防ぐ対策方法

トマトやナスビの連作障害を防ぐ対策方法が掲載されているのは、コラム4:次々に収穫する年間プランのBプランです。

  1. 9月上旬に葉菜類と根菜類の種まきを開始
  2. 12月上旬に9月の野菜収穫後ソラマメ玉ねぎエンドウを植え付け
  3. 翌年6月中旬にトマトやナスを植え付ける
  4. トマト等の収穫後11月上旬に土作りをし(2)にもどる

といった混植とリレー栽培の合わせ技で、連作障害が起こるのを防ぐといった対策法です。

こちらの連作栽培プランで紹介されているトマトやナスビなどの果菜類は、ジャガイモに比べてとても多くの肥料成分が必要になるため、トマトなどを収穫した後は土作りが必要になります。

また、トマトやナスビは病害虫に弱かったり、育成環境の変化にデリケートな面があるので、これらの作物を植えるときには、バジルやニラや落花生にパセリなどのコンパニオンプランツと一緒に植えるようにと記載されていました。

育ちが良くなり病害虫に強くなる88の技法が掲載されいている

ジャガイモやトマトなどの連作障害が起きやすい野菜の対策方法のほかにも、さまざまな野菜についてコンパニオンプランツの有用性が書かれています。

有名なコンパニオンプランツとして、トマトとバジルの共生関係などがあります。

その他にも枝豆とミントといった、あまり耳馴染みのない意外な組み合わせ。

雑草として畑で嫌われているシロツメクサとキャベツが意外と相性が良いなど、それまで知らなかったコンパニオンプランツの世界が、写真やイラスト付きで詳しく紹介されています。

コンパニオンプランツの有用性

コンパニオンプランツの有用性は、なにも野菜の育成が良くなるばかりではありません。

お互いに生長する姿かたちが全然違うため、うまく組み合わせることで、少ないスペースを有効に活用して、同じ面積でもより多くの野菜を育てることが出来ます。

また、根や枝葉が隣り合うことで、適度なストレスが植物にかかり、より健康的に生長する効果も期待できるとのこと。

家庭菜園では、野菜を育てられるスペースに制限があることが多いので、庭での野菜づくりにぜひとも参考にしてほしい一冊です。

ABOUT ME
のっち
のっち
私は、鹿児島県志布志市にある畑で営農している個人農家です。 無農薬、無肥料、不耕起、無除草栽培で、安心安全で美味しい野菜は当たり前、環境にも優しい農業を目指しています。