野菜宅配や通販サイトでよく見るキャッチコピーに、
美味しい朝どれ野菜お届けします!
といったものがあります。
ですがじつは、野菜の種類によっては夕方に収穫したほうが、美味しい場合もあるのです。
例えば、トマトなどの果菜類は朝に、小松菜などの葉菜類は夕方に収穫するのが美味しいといわれています。
では、いったいどうして、美味しさの違いが収穫する時間帯に関係しているのでしょうか。
トマトは朝に小松菜は夕方に収穫するのがおススメです
植物は通常、昼に太陽の光を使った光合成により、水と二酸化炭素を合成して、糖分などの栄養を作っています。
太陽の光が降り注がない夜には、根から窒素を吸い上げて、体の中の糖分と組み合わせてタンパク質に変え体を作り、果実に栄養を集めています。
こうして植物は、昼も夜も休まず活動して、成長しているのです。
つまり、
- 夕方の野菜は水分が少ないが糖分が多く旨味が強い
- 朝の野菜は水分が多いがチッソが多いのでえぐみが強い
と言えます。
果菜類のトマトはやっぱり朝どれ野菜が1番おいしい
トマトを収穫するなら、朝が一番いいタイミングです。
太陽の光を浴びて光合成を始めると、養分を作るために体の水分を消費し始めます。
なので、朝どれのトマトが1番瑞々しくて美味しいのです。
もぎたてフレッシュな果菜類の収穫は朝が最適です。
しかしカボチャなどの乾燥させて熟成させる果菜類は、乾燥していた方が保存が効きそうだから夕方なのかというと、かぼちゃもやっぱり午前中に収穫したほうが良いようです。
カボチャは、切り口から傷んでしまうことがあるため、風邪通りの良い日陰で素早く切り口を乾燥させる必要があります。
夕方に収穫してしまうと、夜間に乾燥させなくてはならないため、傷むリスクが出てきます。
なので、かぼちゃも午前中には収穫するようにすると良いようです。
葉菜類は夕方が良いけど宅配するなら朝のほうがベター
小松菜などの葉菜類は、えぐみが少ない夕方に収穫するのが、もっともよい時間帯。
夜の間は、根っこから窒素を吸収してしまうため、窒素の苦みが強くなります。
ホウレンソウなどは、シュウ酸などの成分が含まれていることもあり、余計のこと苦みやアクが気になってしまいます。
また、これらの冬野菜の場合、朝早く収穫しようとしても、霜が張っている場合があり、やはり朝の収穫は控えたほうが良いです。
ただし、野菜の味は、鮮度が1番に影響してくるので、野菜通販や宅配便で他の場所に運ぶ場合は、午前中には収穫しておくのがベターです。
流通業界が24時間営業しているわけではないので、夕方に収穫してから発送してしまうと、1日余計に運ぶための時間がかかってしまうこともあります。
ただ、厳寒期など、1日余計に保存していても、鮮度がそれほど落ちない季節は、夕方に収穫してみても良いかもしれませんね。
- 自分で食べるためや、簡単に届けることが可能なら夕方に収穫する。
- 野菜宅配などで、遠くに届ける必要がある場合は、午前中に収穫する。
この時間帯に収穫することで、より美味しく食べることが出来ます。
根菜類は?大根やジャガイモは朝どれがいい理由
葉物野菜と実物野菜の収穫時間はわかったけど、根菜類はどうなるの?
根菜類は、朝どれが良いです。
大根やカブなどは、やはり瑞々しさが美味しさの秘訣なので、朝に収穫するのが良いように思います。
ただし、葉の大根葉はえぐみが増すので、理想は大根葉は夕方に収穫して、翌朝根っこの大根を収穫するという、2段構えが理想なのではないかと思います。
また、農家では昔から、秋冬に作りすぎたダイコンの保存方法として、土中保存という手法が存在します。
ダイコンを収穫後、葉の部分だけを切り取って、再び土中に大根だけ戻して保存するという方法で、長期保存が可能になります。
秋から冬にかけての寒い季節限定ですが、ダイコンを作りすぎて困った場合など、試してみてはいかがでしょうか。
ジャガイモもやはり、朝が収穫に適した時間です。
ジャガイモは湿度に弱く傷みやすいので、収穫した後は畑の土の上にしばらく置いておき、日光で乾燥させたほうが保存性が増すためです。
また、湿気に弱いため、ジャガイモの収穫をするのは、晴天が数日続いた後に行うと、長期保存に適したジャガイモが収穫できます。