最近になってテレビのニュースで産地偽装の食品について頻繁に報道されるようになってきました。
外国で収穫した生き物を、日本で一定期間飼育することで、国産と名乗って販売しても良い、という法律を利用した産地偽装問題。
ニュースでは取り上げられていませんが、原材料が外国産であっても、日本国内で加工することで、国産と表示しても良いという法律もあります。
今日買った食料品が、本当に日本で作られた国産商品なのか、最近は本当に分かりにくくなってきました。
その食品がいつ、どこで、だれによって作られたのか。
食品トレーサビリティ(食品の移動を把握できること)が重要な時代になったのです。
トレーサビリティの確保で産地偽装食品を対策できる
食品トレーサビリティとは
食品の移動を把握できること
という意味があります。
その食品がいつ、どこで、だれによって作られたものなのかが、はっきりわかるように記録を作成したりすることで、問題が発生したときに問題が起こった食品がどこから来たのかを調べることが可能になり、原因の対処が速やかに行えるようになるというメリットがあります。
トレーサビリティ関係
https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/trace/
もしも国産だと思っていた食品が外国産だったら
あなたが国産の商品を買うのはどんな場合でしょうか。
- 日本企業の品質を信頼して
- 日本の企業を応援したいと思った
- 安心で安全な食品を口にしたい
などなど、人によってさまざまな理由があるはずです。
国産という表示を信用して商品を買ったのに、実は外国産だったなんてことになったら、とても残念に思うはずです。
必ずしも外国産の食品が危険や不安を抱えている、というワケではなく、様々な理由から日本産だからとお金を出して購入した商品が、実は違っていたという、ある種の裏切り行為に対して、私たち消費者は失望と怒りの感情を抱いてしまうのです。
それならばまだ正直に、外国産であることを表示したり、原材料は外国産だが加工は国内であることを表示するべきです。
そうしてくれれば、消費者は納得してお金をだして購入するわけですから、安心して口にできますし、失望も怒りも感じることなどないのです。
産地偽装を見破るにはトレーサビリティの確保が大切
あなたが手にした商品が、本当に国産なのかを調べるには、トレーサビリティが確保された商品であることが前提条件です。
その商品の裏面に記載されている産地を確認したり、販売している会社のホームページを閲覧したり、お問い合わせ先に確認をとるだけで、その食品がいつ、どこで、だれによって作られたのかがわかります。
個人農家の場合は、種や苗を入荷した場合に、商品名と入荷日と入荷先を記録して、どこで誰が作ったかものかを把握することで、トレーサビリティを確保しています。
トレーサビリティは流通経路が複雑化するほど確保が難しくなる
その食品がいつ、どこで、だれによって作られたのか。
この食品のトレーサビリティですが、流通経路が複雑になればなるほど、産地偽装などのリスクが大きくなります。
野菜で例えると、農家が野菜を作り、会社Aが販売する。
この場合、農家と会社Aが連絡を取り合うだけで、トレーサビリティが確保されます。
なにか問題が起こった場合も、原因の究明が容易で、責任の所在も明確です。
しかし、農家が野菜を作り、会社Aが運び、会社Bが卸し、会社Cが流通させ、会社Dが販売するとなった場合。
たとえば、会社Aが何かの手違いで外国産の野菜と混ぜてしまったり、会社Bが安くで手に入った外国産野菜と混ぜてしまったり、会社Cが…
といった具合に、万が一のリスクが流通経路を重ねるごとに、膨れ上がってしまうからです。
なにか問題が発生してしまっても、だれが悪いのか原因の究明が困難ですし、責任の所在もうやむやになることが多いのです。
個人農家の野菜はトレーサビリティが確保されている
個人農家が野菜を栽培して販売すると、
- 野菜をいつ栽培しているか
- 野菜をどこで栽培しているか
- 野菜を誰が栽培しているか
が一目瞭然です。
野菜を育てて種を自家採種することが出来れば、個人農家だけで野菜栽培のすべてを完結することが出来ます。
そうなれば、トレーサビリティの確保は完璧といっても良いでしょう。
産地偽装など、おこしようがない状態になります。
なぜなら、全てその個人農家が野菜を種から育てているのですから。
ありのファームでは現在、野菜の種とハーブの苗などは、外部からの購入に頼っています。
ですが、どこから購入したものなのかは記録が残っているので、トレーサビリティは確保できています。
その後の栽培期間中は、間違いなくありのファームの畑で育てています。
ありのファームが販売している野菜は、国産。
鹿児島県志布志市産の野菜ばかりです。