植物の成長にとって、文字通り土台となる土。
土が豊でなければ、植物は健全に成長することができません。
家庭菜園やお庭のガーデニングで、うまく植物が育っていないと悩んでいませんか?
花が綺麗に咲かなかったり、実があまりつかなかったり、思ったようにいかない。
結論から申し上げますと、この悩みを解決する方法は、自然に任せてなにもしない。
ということになります。
はてさて、いったいどういうことなのか。
この記事では、ありのファームで、どのようにして豊かな土つくっているのかを紹介し、肥沃な土壌が出来上がるメカニズムを簡単に解説していきます。
自然に任せてなにもしない
自然に任せて何もしないとは。
あなたは、自然の野山をみたことがありますでしょうか?
自然の野山は、人間の手が全く入っていないにもかかわらず、木々が多い茂り、美しい緑の風景が広がっています。
なぜなのか。
それは、自然の生態系が、上手に循環して、自然が自然を育み共存共栄を成しえているからなんです。
季節が廻り、葉や実が落ち、虫や動物たちがそれを食べ排泄。
さらに排泄されたものや朽ちた枝葉を、微生物たちが分解する。
その分解されたものを植物が吸収して糧とする。
この、摩訶不思議で、理想的な循環が、自然の野山を青々と茂らせているメカニズムなのです。
こういった自然のライフサイクルを、畑の中で人為的に再現して、豊かな土を作る。
これが、ありのファームで行っている自然農による土づくりなのです。
自然のメカニズムを再現して土を育てる
まず初めにするのは、落ち葉が落ちているところを再現するところから。
しかし、野山に入り、畑のために落葉樹の葉をたくさん集めてくるのは大変です。
しかも、畑には落葉する木ではなく、野菜を植えるのですから、落葉樹の葉を利用するというのも不自然です。
そこで、自然農考案者が目に付けたのが、畑や、そのまわりに自生している雑草でした。
雑草を刈り込み、畑の畝にまいていくのです。
そうすることで、畑に自然の循環の最初のステップである、「季節が廻り葉が落ちる」を再現することができます。
時間がたてば徐々にではありますが、この雑草の落ち葉をめあてに虫や微生物が集まって、豊かな土の基礎が出来上がっていくのです。
さらにここに、米ぬかをまくと微生物の働きが活性化され、自然のライフサイクルを速やかに無理なく進展させることができます。
落ち葉のある所に雑草は生えてこない
落ち葉の敷き詰めている場所に、雑草はなかなか生えてきません。
絶対に生えてこないというわけではないのですが、その勢いは目に見えて緩やかです。
そうした場所に、野菜や花を植えていくわけです。
そうしていく中で、徐々に敷き詰めた雑草の落ち葉が、微生物たちによって分解されて土に還る。
土に還った草木は、腐植と呼ばれ、植物の肥料として優秀な有機物として吸収されていく。
人間がなにもせずとも、自然は廻るというわけなのです。
自然は壊せても作り出すことはできない
自然は壊せても作ることはできないとは、自然農法の提唱者である福岡正信氏の言葉です。
人間は文明を発展させ生活を豊かにするたびに自然環境を破壊してきたけれど、一度失われた自然を人工的に作り出すことはできない、という意味です。
一見自然っぽい公園などは用意できても、定期的にメンテナンスしなければなりません。
花壇や屋上庭園などは、花や木々は綺麗に見えますが、虫や鳥などの野生動物から見れば、避けて通りたくなるような状態だったりもします。
だからといって自然環境を考えすぎも良くない
でも、考えすぎるとなんだか、周りの景色を純粋に楽しめなくなりそうな気もします。
あれもこれも環境に悪いから、となると車でドライブも、エアコンも使えなくなって生活が成り立たなくなってしまいます。
なので、無理せず我慢せず。
自分のできる範囲だけ。
ちょっとだけでも、自然を大切にしていくことが、持続可能な自然保護になるんじゃないのかなと思います。