あなたはサラダのドレッシングに入れるオイルや、炒め物に使う油について気にしたことがありますか?
実は、食用油にも私たちの健康と美容にとって、質の良いものとそうでないものとに分けられるんです。
結論から書きますと、
- 加熱用には、カメリナオイルかオリーブオイル
- 生食用には、えごま油か亜麻仁油
が理想的なオイルの選び方です。
では、なぜこのオイルが理想的なオイルだと言えるのでしょうか。
野菜を美味しく健康的に食べるために理想的なオイルの選び方
食用油に含まれている脂質は、グリセリンと脂肪酸によって形作られています。
このうち、脂肪酸の分子配列の種類によって油が分類されており、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸とに大別されます。
飽和脂肪酸とは、簡単に説明すると、常温で個体として存在している脂のこと。バターやラードなどの動物性の脂に多く含まれています。
対して不飽和脂肪酸とは、常温で液体として存在している油のこと。オリーブオイルや亜麻仁油などの植物性の油に含まれています。
飽和脂肪酸は食べ過ぎると血液中に悪玉コレステロールを増加させ、動脈硬化などの生活習慣病リスクをあげるとされていて、脂質全体の3割以下に抑えることが望ましいと言われています。
お肉や魚、卵や乳製品などの動物由来の食材には、天然の飽和脂肪酸がすでに含まれているため、食事で飽和脂肪酸を脂質全体の3割以下に抑えるためには、加熱や味付けに使う油を不飽和脂肪酸にすることで、自然と理想的な食生活を送ることが出来るのです。
不飽和脂肪酸にも様々な種類がある
一口に不飽和脂肪酸と言っても、その種類は様々。
脂肪酸の分子配列によって、オメガ9、オメガ6、オメガ3等に分類されます。
オメガ9はオリーブオイルや菜種油、こめ油などに多く含まれていて、血液中のLDLコレステロールを下げる効果があります。
オメガ6はサラダ油やごま油、加工食品などに多く含まれていて、白血球を活性化して病原菌などと戦う働きをします。
オメガ3はえごま油やアマニ油、カメリナオイルに多く含まれていて、白血球の働きを抑制させて炎症を抑える働きをします。
このうち、オメガ3と6は、人間の体内で作り出すことが出来ないので、食品から摂取する必要があります。
そのため、必須脂肪酸と呼ばれています。
不飽和脂肪酸はバランスが大事
不飽和脂肪酸のうち、オメガ6とオメガ3は必須脂肪酸なので、毎日の食事で積極的に食べる必要があります。
しかし、現代の日本人の多くは、オメガ6の取り過ぎが問題となっています。
オメガ6を含む油は、他の油に比べて比較的安価に生産することが出来るため、加工食品や外食産業での利用が多く、私たちの食卓に並ぶ機会が増えすぎていることが問題視されています。
オメガ6の効能は、白血球を活性化して病原菌などと戦う働きという大切なものですが、これが過剰になりすぎてしまって、自分自身の正常な細胞までも攻撃し始め炎症を起こしてしまうというケースが増えているのです。
相反する働きをするオメガ3とオメガ6ですが、その理想的なバランスは、
オメガ3とオメガ6が 1:1~2 のバランスである時、もっとも健康的な生活をおくることができるとされています。
そのため、毎日の食生活ではオメガ6の不飽和脂肪酸の取りすぎに注意しつつ、意識的にオメガ3の不飽和脂肪酸を多くとるようにすることが、大切なのです。
健康には必須脂肪酸「オメガ3」「オメガ6」が重要!油選びのコツ:NHK
https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_1128.html
オメガ3を豊富に含む食材とオイルについて
不飽和脂肪酸オメガ3が多く含まれる食品には
- イワシ・サンマ・サバ等の青魚
- えごま油・亜麻仁油・カメリナオイル
- クルミ
があります。
食用油では、えごま油、亜麻仁油、カメリナオイルの3種類が不飽和脂肪酸オメガ3とされています。
しかし、オメガ3の不飽和脂肪酸は熱に弱く、加熱調理には基本的に向きません。
なので、サラダのドレッシングや、調理中ではなく食べる直前で使うなどの熱対策が欠かせません。
このうちカメリナオイルだけは、オメガ3の含有量が少ないものの、熱による酸化が起こりにくいため加熱料理にも使うことが出来ます。
以上のことからまとめて、
- 加熱用には、カメリナオイルかオリーブオイル(オメガ9)
- 生食用には、えごま油か亜麻仁油
が理想的なオイルの選び方ということになるのです。