ありのファームの畑の様子を写真でご紹介します。
2022年3月から新しく、約2000平方メートルの畑を使わせていただけることになりました。
慣行農法で利用されていた農地で、切り替え当初はあちこちに土がむき出しの状態だったのですが、転換期中ということもあってまだまだ自然豊かな状態とは言えないものの、徐々に緑が濃くなっており、土地の豊かさが増してきている風に感じています。
気温が夏に向けてじわじわと高くなってきており、5月には稲作の準備や夏野菜の準備が始まります。
なかには、こんなお茶目な様子も見られます。
ズッキーニの種が発芽した様子。
なぜか反対向きに根っこと双葉が出ている逆子状態です。
私の種を植える深さが浅すぎたのが原因か、うまく体を支えられなかったのかしら。
この後ポットに移し替えてたことで、何とかうまい具合に育ってくれているようです。
夏野菜の準備が着々と進んできています
5月になると気温が上昇してきて、夏野菜の苗の準備が大忙し。
ナスビやトマトにズッキーニなどの実を食べる野菜は、葉を食べる野菜に比べて収穫までの期間が長く、栄養もたくさん必要になります。
そのため、しっかりとした苗を育てることがとても大切。
野菜を子どものころから化学肥料や農薬で過保護に育ててしまうと、いざ畑に出た時に周りの厳しい自然環境に負けてしまいやすくなります。
なので、種から芽を出したら、できるだけ自然環境に合わせた状態を再現して育てるようにしています。
種を育てる土も市販の培養土ではなく、畑の土や山の土を採取してきて利用しています。
ありのファームの畑の近くには、小さな小さな山を所有しており(小さすぎて山と言うよりは斜面とか崖とか坂と表現するほうが良いかもしれませんが)場所によって土の質が全く違うというのが面白いところです。
いろいろ採取して来ては、野菜の生長にどう影響するのかを観察しているのですが、なかなか最適解が見つからずにいますが、試行錯誤していくうちに何かしらの答えが見つかることと思います。
無農薬野菜を育てていく方法について考える
無農薬で野菜を育てるというと、とても栽培するのが難しいのではないかと思ってしまいます。
同じ野菜を同じ環境で育ててみても、虫に食べられてしまう野菜と、そうでない野菜が出てきます。
虫の機嫌次第なのか、運次第なのか。それとも何かしらの理由があるのか。
でも、葉の状態を観察してみると、そうではないと思えるような様子が見て取れます。
虫の食害に合ってしまう野菜と言うのは、葉っぱをかじられたら最後、骨も残らないような状態になるまで食べつくされてしまいます。
しかし、虫の食害に合わない野菜は、葉を食べつくされるという事がありません。
全く食べられないというわけではなく、最初に少し味見をしている形跡が見られます。
にもかかわらず、その後葉を食べつくそうとはせずに、どこか別の場所へ移動している風なのです。なぜなら、小さな食べ跡が見つかるが、それ以上は葉の食害が見当たらないから。
この2つの野菜の違いを理解して再現することが、無農薬野菜を安定的に育てられるカギになると考えています。
肥料が虫を呼び寄せる
虫によって食害を受けてしまう一番の理由は、窒素肥料のやりすぎであると考えています。
野菜などの植物が窒素肥料をたくさん吸収してしまうと、害虫を呼び寄せてしまうのです。
慣行農法では、短期間に沢山の量を安定して生産するために、大量の化学肥料が使われており、それに伴って増加する病害虫に対抗するべく農薬との使用がセットとして考えられています。
なので、肥料の吸い過ぎには十分気を付けなくてはなりません。
ありのファームの畑は、つい昨シーズンまで慣行農法によって野菜が育てられており、土の中にはまだまだ沢山の化学肥料成分が残っているのではないかと推測しています。
野菜は根を張った場所からしか栄養を吸収することができません。なので、同じ畑の中でも肥料が残っている場所と、吸いつくされた場所とが点在しており、その結果虫に食べられる野菜とそうでない野菜とが生まれたのではないかと考えています。
腐敗が虫を呼び寄せる
野菜が虫に負けてしまう理由の一つに、土が腐敗していることが原因なのではないかと考えています。
虫がどういった状況で集まるのか。虫は何を餌に生きているのか。
こういうことを考えていくと、虫は腐った有機物を餌にしているのではないかと仮説を立てることができます。
ミミズやハエなどの虫などが特に分かりやすいですが、これらの虫は腐敗して嫌なにおいを発している場所に多く集まります。
夏場の台所など、生ごみをうっかり放置しておくと、沢山の虫が集まってきますよね。ああいった状況が畑でも起こっているというワケです。
野菜の場合は、地中にある未熟な有機物が原因でしょうか。
腐敗した未熟な有機物が植物に吸収され、その結果野菜から腐敗臭のようなものが出たりしているのではないか。それにつられて虫が集まり、食害に合ってしまうのではないかと推測しています。