日本の食料自給率の低下が、社会問題としてたびたびとりあげられています。
ですが、実際問題どのようなデメリットが発生するのか、いまいちピンとこないということはありませんか?
食料自給率が低下することでおこる問題として、
- 食料の安定供給の危機
- 日本の景気が悪くなる
- 地球環境が悪化する
大きくこの3つの点で問題があると考えています。
外国から輸入される食料に頼ることで、どうしてこのようなことになるのでしょうか。
この記事では、食料自給率の低下で起こるデメリットを3つ解説しています。
食料自給率が下がると何が問題か 自給率低下で起こるデメリット3選
多くの先進国では、食料自給率は比較的高い国が多い中、日本の食料自給率は、令和2年時点で37%でした。
ヨーロッパに目を向けると(平成29年のデータ)、フランス130%、ドイツ95%、イギリス68%、イタリア59%で、日本と比べるととても高いことがわかります。
では、食料自給率が低いことでどのような問題が起こるのでしょうか。
食料自給率が下がると食料の安定供給の危機
私たちが生活していく中で、絶対に必要となる食料。
その食料を外国からの輸入に頼っていることは、とっても危ないことなのです。
どうして危ないかというと、このさきずっと永遠に安定して食料を乳できるとは限らないから。
外国は、それぞれ離れた場所に位置しているので、気候も日本とは全然違う場合がほとんどです。
なので、豪雨や干ばつ、台風などの異常気象によって、農産物の生産に危機が訪れた場合、日本へと食べ物を運んでくる余裕がなくなってしまうリスクがあります。
農産物があまり生産できないとどうなるか。
食料の値段が高騰したり、そもそも外国へ食料を輸出できなくなることも考えられます。
そうなってしまっては、今まで食べていた外国産の食べ物が食べられなくなってしまうという事態に、陥ってしまうかもしれないのです。
食料を輸入できなくなる原因は、異常気象だけではありません。
外国で、大規模な感染症が広がってしまったり、社会情勢が悪くなったり、日本との関係悪化が原因で輸入できなくなったりするかもしれません。
食べ物を外国からの輸入品に頼るのは、食料を安定して供給するのに、とても大きなリスクが発生してしまうのです。
もしかすると、明日から、あなたの大好物の外国産フルーツが、手に入らなくなるかもしれないのです。
食料自給率が下がると日本の景気が悪くなる
外国産の食べ物ばかり輸入していると、日本の景気が悪くなるかもしれません。
たとえば、スーパーに日本産のりんごと、外国産のりんごが売られていたとします。
日本産を買えば、日本の農家にお金が入ります。
しかし、外国産のものを買えば、外国の農家にお金が入ります。
そうすると、日本の農家は利益を上げられず、お金が稼げません。
こうなると農家の所得は減り、農家で働く従業員の給料も低くなりボーナスもなくなります。
給料やボーナスがなくなると、買い物をしようという気持ちがなくなり、消費が減ります。
お金があれば買おうと思っていた、車やスマホの購入を断念することで、車やスマホ会社の社員のお給料が減ります。
まわりまわって、日本全体の消費の減退につながり、結果日本の景気が悪くなるという仕組みです。
食料自給率が下がると地球環境が悪化する
食べ物を遠い外国から輸入をしてばかりいると、地球環境が悪化します。
遠い国から船や飛行機をつかって食料を運んでくるわけですから、とうぜん船や飛行機の燃料が必要になります。
食べ物、特に生鮮食品などは、冷蔵庫や冷凍庫に入れて運ばないと腐ってしまいますから、さらにたくさんの燃料が必要になります。
そうすると、ガソリンや電気がたくさん必要になるわけで、二酸化炭素や核燃料廃棄物など、環境汚染物質がたくさん排出されるのです。
できるだけ近く、輸送コストを抑えた地産地消を心がけるだけで、地球環境保全に貢献していることになるのです。
日本産の食べ物を選ぶだけで、外国産の食べ物を選ぶ場合に比べ、エコであるということができます。
以上、食料自給率が下がると何が問題か 自給率低下で起こるデメリット3選についてご紹介してきました。
- 食料の安定供給の危機
- 日本の景気が悪くなる
- 地球環境が悪化する
いままで食料自給率の低下なんて、いまいちピンとこない問題だったかもしれません。
食に関係のない職種、会社員の方や公務員の方にとって、あまりなじみのない問題という印象がありますが、決して他人ごとではないことがわかっていただけたんじゃないかなと思います。
日本の農業は、今すぐ危機的な状況に陥るというわけではありません。
食料の輸入が、明日から全部だめになったとしても、絶望的というワケでもありません。
ですが、すこしずつ、少しずつではありますが、自給率の低下によって、私たちの生活が苦しくなっていくのは確か。
すこしでも国産品を。
できるなら、地元の食べ物を選ぶようにする。
小さなことですが、積み重ねることによって、とっても大きな力になるのです。