ありのファームについて

健康的な野菜とはどんな野菜なのか

ありのファームでは、健康的な野菜作りを心がけています。

では、ここでいう健康的な野菜とはどんな野菜のことを言うのでしょうか。

それは、

自然に豊かになった土で育ち

肥料の力を借りずとも健全に生長し

農薬の助けを借りずとも病害虫に負けず

自然本来の姿で美しく清らかで滋味深い野菜

のことを健康的な野菜と呼んでいます。

自然に健康に育った野菜がやっぱり一番美味しい

詳しい原理は農家の私には全くわかりませんが、

どういうわけか、荒れ果てた砂地のような土で育った野菜よりも、柔らかで自然あふれる土で育った野菜のほうが美味しく感じるのです。

どういうわけか、肥料をたくさん使って大きく育った野菜よりも、肥料を使わずに逞しく育った野菜のほうが美味しく感じるのです。

どういうわけか、農薬を使って病害虫を駆除して育てた野菜よりも、農薬を使わずとも病害虫に負けなかった野菜のほうが美味しく感じるのです。

どういうわけか、人があれこれ手を加えて育てた野菜よりも、自然に任せて勝手に育った野菜のほうが、美味しく感じるのです。

原理はわかりませんし、科学的なエビデンスもありません。

ただただ、実体験だけが、畑に根付いているのです。

もしかすると、荒れ果てた土地で、肥料と農薬をたっぷり使って、あれこれ人の手を加えて育てた野菜のほうが、美味しく感じると思う人もいらっしゃるかもしれません。

ですが、私は、そうではないのです。

私は、農家として、私自身が良いと思った野菜を、食べてみたいと思ってくれる人にお届けしているだけなのです。

その良いと思った野菜というのが、健康的な野菜、ということなのです。

自然に豊かになった土で育った野菜

自然に豊かになった土。

自然にとは、自然の営みによってということを意味します。

例えば、草の根が地中深くまで伸び、微生物の住みかになる。

例えば、土に生えた草が枯れて、それが微生物によって分解され、腐葉土になる。

例えば、腐葉土を餌にミミズが土を耕し、土の中の風通しを良くしてくれる。

こうした、自然の営みによって、人間がなにか手を加えなくても、土とは自然と豊かになっていく仕組みを持っています。

自然と豊かになった土で育った野菜は、不思議と滋味に富んでおり、美味しく感じるのです。

逆に水耕栽培などで育てられた野菜は、えぐみや雑味がなくスッキリとした味わいであることが多いです。

もちろん、スッキリした味の野菜のほうが美味しいと感じる方もいます。

スッキリ爽やかな水耕栽培と、しっとり滋味深い自然に豊かな土で栽培した野菜。

どちらにもそれぞれ良いところがあります。

私が良いと思う野菜が、自然に豊かな土で育った野菜だったというだけなのです。

肥料の力を借りずとも健全に生長した野菜

肥料をあげた野菜のほうが、素早く大量に安定して収穫することが出来ます。

化学肥料は水に溶けやすく、植物が根から素早く吸収することが出来るので、生長が目に見えて早く感じます。

有機肥料は微生物に分解されてから、植物が根から吸収するので、少し時間はかかりますが植物の生長を助けてくれます。

肥料の力を借りずとも生長する野菜とは、人の手によって肥料を与えずとも、自然に豊かになった土に含まれる栄養を糧に、生長していった野菜のことを言います。

原理としては、有機肥料を与えた時と、そう変わらない気もします。

枯れ草が分解された腐葉土は植物性の有機肥料ですし、ミミズによって作られた土は動物性の有機肥料と考えることが出来ますから。

ですが野菜は繊細なようで、有機肥料を与えると甘く濃厚な味わいが強くなり、与えずに育てると野菜本来の滋味深い味わいになるのです。

植物は、根からアミノ酸を吸収する可能性が指摘されています。

なので、有機肥料を与えるほど旨味成分が蓄積され、人が食べると甘く濃厚だと感じるようになるのだと考えています。

有機肥料で育てた甘く濃厚な野菜と、肥料によらない野菜本来の滋味深い味わい。

どちらにもそれぞれ良いところがあります。

私が良いと思う野菜が、肥料の力を借りずとも健全に生長した野菜だというだけなのです。

農薬の助けを借りずとも病害虫に負けずに育った野菜

野菜はどういうわけか、肥料成分をたくさん吸収してしまうと、病害虫に負けやすくなってしまいます。

現在では、根から吸収した肥料成分の窒素が、野菜のバリア機能を弱めたり、害虫が好む味や香りを醸し出したり、病害虫に対抗する植物ホルモンの生成を弱めたりと、いくつもの可能性が示唆されています。

つまり、病害虫に負けてしまうということは、窒素の吸収し過ぎで健全な生長が阻害されている状態とも言えます。

植物の中に窒素が多く含まれていると、野菜にえぐみや苦みを感じるようになりますし、健康上の影響も懸念されていて、国によっては厳しく取り締まっているところもあります。

農薬と一口に言っても、様々な種類の農薬があります。

日本の法律では、病気や害虫に対して一定程度の有効性が認められれば、全て農薬という括りで定義づけられています。

なので、国によって使用が禁止されるような劇薬も農薬ですし、虫や病気に効果があるのなら牛乳やお酢なども農薬なのです。

お酢や牛乳くらいなら、気にし過ぎなような気もしますが、そもそも野菜が病害虫に負けるということは、肥料の与え過ぎである可能性があります。

窒素が多く含む野菜は美味しくないですし健康リスクもあるので、農薬を頼らないといけない野菜は健康的ではないので避けたいという事なのです。

さらに、農薬を使ううえで心配なのが自然の生態系を崩してしまう事。

前述した、自然に豊かになった土、とも関係してくるのですが、農薬をつかって病害虫を退治するということは、それまでそこにあった自然な食物連鎖のバランスを壊すことを意味します。

使った農薬が強力であればあるほど、狙った病害虫以外にも、野菜や土にとって有用な微生物までまとめて退治してしまうリスクがあります。

食物連鎖から引き起こされる生物濃縮による人体への影響や、役目を終えて流れ出た農薬成分によって水質汚染が引き起こされ、畑以外の自然環境へ悪影響を与えてしまうリスクもあります。

農業従事者ひとりひとりの使用では微々たる影響力しか持たずとも、日本中の農業従事者が農薬を使うことによって与える影響は、きっと無視できないレベルだと思います。

事実、農林水産省では「みどりの食料システム戦略」と銘打った、化学農薬の使用を2050年までに50%低減するという目標を掲げています。

現在使われている各種農薬は、野菜に使える安全な農薬として使用が認められていますが、将来にわたって食の安全を守り続けることが出来るとは言えないのかもしれません。

難しい話は抜きにして単純に考えてみても、薬に頼らないと病気や害虫に負けるような問題を生み出してしまう栽培環境で育った野菜を、無理やり薬の力で綺麗な姿にして食卓に並べるという行為が、そもそも健康的ではないと私は感じてしまいます。

農林水産省 みどりの食料システム戦略

https://www.maff.go.jp/j/kanbo/kankyo/seisaku/midori/index.html

自然本来の姿で美しく清らかで滋味深い野菜

自然本来の姿で (自然に豊かになった土で育った野菜)

美しく清らかで (農薬の助けを借りずとも病害虫に負けずに育った野菜)

滋味深い (肥料の力を借りずとも健全に生長した野菜)

野菜。

このような野菜のことを健康的な野菜と呼び、

私が理想とする野菜作りの目標なのです。
 

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のっち
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私は、鹿児島県志布志市にある畑で営農している個人農家です。 無農薬、無肥料、不耕起、無除草栽培で、安心安全で美味しい野菜は当たり前、環境にも優しい農業を目指しています。