雑草について、あなたはどんなイメージを持っていますか?
- 雑草は野菜の天敵
- 見た目が悪くだらしない印象になってしまう
- 雑草を畑に生やしたままにすると野菜の成長が阻害される
雑草は邪魔ものだ、という意見が世間一般では常識とされているように思います。
しかし、ありのファームの畑では、基本的に雑草を除草することはありません。
なぜなら、雑草と共存共栄したほうが、野菜が美味しく育つからです。
今回は、雑草を除草しないことで、野菜が美味しく育つ仕組みについて、お話していきたいと思います。
雑草を除草しないと野菜が美味しく育つ理由について
雑草を除草しない、無除草状態で野菜などを育てることを、草生栽培と呼びます。
ミカンなどの果樹農家さんの間では、そこそこ広く認知ていて、実践されているところも多くあります。
草生栽培のメリットは、
- 野菜が美味しく育つ
- 野菜が健康に育ちやすくなる
- 除草剤などの農薬を使わなくて済む
主にこの3つ。
では、どうして雑草を除草しないだけで、このようなメリットを享受することが出来るのでしょうか。
雑草を除草しないと野菜が美味しく育つ理由
雑草を除草しないと野菜が美味しく育ちます。
その理由は、雑草があることで土が肥沃になっていくから。
雑草は日々、成長しては枯れてを繰り返しています。
枯れた雑草は、そのまま畑の土の上に堆積していき、ミミズや微生物の活動によって分解され、良質な有機堆肥へと姿を変えていきます。
そして、良質な有機堆肥が土の中で微生物によって分解され、植物性の有機肥料となって野菜に吸収され、野菜が美味しく育つという理屈です。
また、雑草は小さな虫や微生物の住みかとしての役割も併せ持ちます。
そして、こうした生物群の活動によって、より豊かな土へと育っていきます。
いろいろな生物群が生きていく中で、食物連鎖による捕食と排泄、生と死が繰り返されることで、微量ではあるけれども多種多様な堆肥となって、野菜の成長を促進するのです。
雑草を除草しないと野菜が健康に育つ理由
雑草を除草しないと野菜が健康に育ちます。
その理由は3つあります。
- 雑草が土を耕してくれるから
- 雑草が生えている方が悪天候に強くなるから
- 雑草が生えていると病気や害虫に強くなるから
雑草が土を耕してくれるから
雑草は植物ですので、成長していく中で根を張ります。
その根は、土の奥深くまで掘り進んでいき、その過程で土を耕してくれる効果があります。
土を耕すことで、土の団粒構造化が進み、野菜がより健康的に育つことが可能になるのです。
雑草が生えている方が悪天候に強くなるから
また、雑草が生えていることで、悪天候にも強くなります。
雑草が生えていることで、太陽の光が直接土に降り注ぐことがなくなり、乾燥に強くなります。
大雨が降ったときには、地中深くまで入り込んだ土が排水路の役目を担い、過失になるのを防ぎます。
直射日光が当たらないことで、地温の上昇をやわらげるので、高温障害に対して強くなります。
雑草が枯れて積み重なった場所は、ちょうど毛布の役割を担ってくれ、冷えにも強くなります。
つまり、自然環境の厳しさから、ある程度野菜を守ってくれ、健康に野菜が育つ助けになってくれるのです。
雑草が生えていると病気や害虫に強くなるから
雑草が生えていることで、生命の多様性が生まれます。
畑に雑草が生えているのですから、野菜以外の植物がまず増えます。
そして、植物の種類が増えれば、それに応じて、増えた植物を住みかにしたり、餌にしたりするために、昆虫や微生物の種類が増えます。
こうして、生物の種類が増え多様性が生まれるとどうなるかと言いますと、野菜が病気や害虫に強くなるのです。
多様性があることで、もしも病気が発生しても、それをやっつけてくれる菌や微生物も増えるので、被害が抑えられます。
多様性があることで、もしも害虫が発生しても、それを食べてくれる虫や菌が増えるので、被害が抑えられます。
こういう理由で、雑草が生えていると野菜が病気や害虫に強くなるのです。
雑草を除草しないと除草剤などの農薬を使わなくて済む
雑草を除草しないと、除草剤などの農薬を使用しないで野菜を育てることが出来ます。
なぜなら、雑草を除草しなくても良いからです。
以上、雑草を除草しないと野菜が美味しく健康に育つ理由 草生栽培のメリットについてお話してきました。
雑草を除草しないことで、
- 野菜が美味しく育つ
- 野菜が健康に育ちやすくなる
- 除草剤などの農薬を使わなくて済む
という3つのメリットが生まれます。
野菜が美味しく健康に育つ、雑草との共存共栄農法である草生栽培。
これが、安心安全で美味しい野菜はあたりまえ、それプラス自然環境にもやさしい農業をモットーとする、ありのファームの雑草との付き合い方です。