畑の土を掘り進めると、ガツンッととても硬い土の層にあたることがありますよね。
水田から畑に転換した場所や、宅地用に整備された庭だったり、もともとの土質が粘土質だったり、そんな場合は自然の力を借りて、畑の土を改良することをお勧めします。
硬盤層を破壊するなら、
このどちらかの使用が適しています。
畑の硬盤層を破壊なら緑肥のセスバニアか麦がおススメ
私が利用している畑は、もともとは稲作に使っていた水田でした。
なので、あまり水はけが良くありません。
さらに、あまり管理が行き届いていなかったのか、硬断層と呼ばれる硬い土の層が、ちょっと土を掘るだけで出てきてしまいます。
この硬断層は、水はけが悪くなるだけではなく、作物の根っこがそれ以上成長することが出来なくなったり、硬断層より下の有機物が腐敗してしまったり、デメリットのオンパレードなのです。
そんな厄介者の硬断層を破壊して、畑の土壌改良をしたい場合は、緑肥植物を利用するのがおススメです。
畑一面の土壌改良をしたい場合はセスバニア
セスバニアは、マメ科の植物で、高さが2m程に成長します。
開花期を過ぎると、茎が固くなって後処理に困るので、成長のさせすぎには注意が必要。
セスバニアはマメ科の植物ということで、空気中の窒素を固定する根粒菌との相性が良く、水はけのほか知力の向上効果が期待できます。
成長力も旺盛で、耐陰性や耐湿性もあるので、畑一面の硬盤層を破壊して土壌改良をしたいなら、セスバニアがおススメです。
特定の場所だけ土壌改良をしたい場合はライムギ
ライムギは、イネ科の植物で、根が真っすぐ下に深く伸びるのが特徴。
セスバニアと比較すると、そこまで大きくならず場所をとらないので、管理が楽です。
成長スピードもとても速く、茎の方さもそこまで硬くならないので、うっかり放置してしまっても、対処が可能です。
畝と畝との間や、特定の場所だけ、硬断層を壊してしまいたい場合は、こちらの方が作業効率が良いように思います。
麦の仲間は、菌根菌と呼ばれる、リン酸の吸収効率を上げてくれる微生物と相性が良いとされ、畑の知力向上に役立ちます。
私の畑で利用しているのは、一年草のライムギと多年草のイタリアンライグラスです。
ライムギは初期成長が旺盛で、イタリアンライグラスは長期的な土壌改良効果を狙って、混合して畝と畝との間にまいて利用しています。
農耕器具や化学肥料や農薬の使用で硬盤層が作られる
そもそも硬盤層はどのようにして作られてしまうのでしょうか。
- トラクターなどの重機で土が圧縮されてできる
- 農薬や化学肥料によって微生物が死んで土が硬くなる
- 土を耕すから土が締まって硬くなる
おおきくこれらの3つの理由によって硬盤層ができると考えられています。
トラクターなどの大型農耕器具は、大型な分重量があります。
そのため、畑の中を移動するだけで、土を鎮圧してしまい、その結果硬盤層ができやすくなってしまいます。
その対策として、最近ではフルクローラと呼ばれる、洗車のキャタピラのような構造で、土への圧力を弱める工夫がされているトラクターも販売されています。
土の団粒構造は、微生物やミミズなどの、土壌生物たちによって作られ維持されています。
しかし農薬や、化学肥料を使ってしまうことで、微生物たちが死んでしまったり、数を減らしてしまうことで土が痩せてしまい、硬盤層が出来てしまいます。
微生物の活動によって、有機物が分解され、生命活動によって分泌される成分で、団子状に物質をまとめることで、やわらかく弾力のある理想的な状態を生み出しているのです。
植物は根を張って成長しています。
根は土を掘り進めることで地中深くまで掘り進めています。
そして植物が枯れることで、残されたねが微生物たちに分解されていきます。
後に残った空洞部分が、土の排水性や通気性を向上させ、硬盤層ができにくくなる環境を作っているのです。
しかし、作物の収穫後に土を耕してしまっては、せっかく植物の根が地中深くまで耕してできた空洞を埋めてしまうことになります。
その結果、いつまでたっても地中深くの部分が耕されることなく時間が経過し、硬盤層へと変わってしまうのです。