個人農家の独り言

農家の天敵?畑の害獣モグラ対策なら被害が出る前に土壌改良を

農家の天敵とされ、畑の害獣と認識されているモグラ。

畑を荒らし、栽培している野菜に被害が出る前になんとか撃退したい。

そんな時の対策方法は、モグラの通り道や被害を受ける野菜の近くに、ペットボトルで作った風車を設置するのが一番手っ取り早いです。

でも、根本的にモグラ対策を考えるなら、畑の土壌改良に取り組むことをお勧めします。

悠長なことは言っていられない。今すぐモグラを畑から追い出したいとお思いでしたら、動物撃退器の導入を検討してみてください。

ソーラー電池搭載なので、畑に設置するだけで、あなたは何もせずともモグラのいない日常を取り戻せるはずです。

農家の天敵?畑の害獣モグラ対策なら被害が出る前に土壌改良を

農家の天敵や、畑の害獣と揶揄され嫌われているモグラ。

ですが、その生態を紐解いていくと、実はモグラは農家にとって救世主とも呼べる存在だったのです。

モグラは良いヤツ、敵じゃない。

これから紹介するモグラの功績を知れば、きっとモグラを好きになってもらえるはずです。

ちなみに、ありのファームでも絶賛モグラが活躍中です。

モグラは肉食だから野菜を害そうとしているわけじゃない

モグラは肉食です。

主に、地中にいるコガネムシの幼虫やミミズを好んで食べています。

モグラには優れた嗅覚と振動をキャッチする器官がそなわっているため、光の届かない地中であっても食べ物を補足することが出来ます。

そうなんです、モグラが食べたいのは植物の根ではなく、幼虫やミミズなんです。

つまり、餌が無くなればモグラは寄ってこないということになります。

コガネムシの幼虫やミミズがどんな土壌に生息しているかご存じでしょうか。

コガネムシは特に未熟な有機物が多い場所に散乱する性質があります。

ミミズの中でも、特にシマミミズと呼ばれる種類もまた、未熟な有機物が多い土壌に生息しています。

そうなんです。

畑の中に未熟な有機物が多いと、モグラの餌が増え、その結果モグラが住み着いてしまうという結果が生まれるのです。

モグラは嗅覚がすぐれているため、こうした未熟な有機物が放つ、独特な臭いを頼りに穴を掘り進めているのです。

つまり悪いのはモグラではなく、未熟な有機物が多い畑の土なのです。

モグラが住み着くこと以外にも、畑の土に未熟な有機物が多いと

  • 発酵する際に熱を発して植物の根を傷める
  • 植物にとって害となる有機ガスを発生させて傷める
  • 未熟な有機物が分解されるときに窒素を消費して栄養不足になる
  • 雑菌が繁殖して野菜が病気にかかりやすくなる

こういったリスクが発生しやすくなります。

これらのリスクに備えるためにも、モグラ退治を考えるのなら、畑の土壌改良が大事になってくるのです。

未熟な有機物にはモグラの穴が効果を発揮する

未熟な有機物が畑の作物にとって、良くないことが分かっていただけたかと思います。

では、モグラが未熟な有機物にあつまる餌を食べると、どうなるのでしょうか。

モグラは餌にありつくために、地中に穴を掘ります。

その結果、空気の通り道が、未熟な有機物の元まで作られることになります。

そうなることで、畑の地中に埋もれた未熟な有機物が空気にさらされ発酵が進み、完熟した有機物へと変わっていきます。

その時発生する熱やガスなどは、モグラ穴によって排出され、植物へのダメージを軽減してくれます。

また、良くない菌はだいたい不好気性といって、空気がない場所でしか繫殖しない傾向にあるため、発生が抑えられます。

逆に好気性の、植物と共存共栄ができる糸状菌などの菌類は繁殖しやすくなり、植物の生長に良い影響を与えやすくなるのです。

モグラを退治したことで作物の出来が悪くなった例もある

モグラの生態から逆算してみると、モグラの発生しやすい土壌は、未熟な有機物が多く存在している可能性が高いということが、分かっていただけたかと思います。

未熟な有機物が多い状態で、モグラだけを退治してしまうと、畑の土壌はあまり良くない状態のままになってしまい、結果的に植物がダメージを受けてしまう。

  • モグラがいる土は未熟な有機物が多い
  • 未熟な有機物が多いと畑の作物が駄目になる

という条件が重なり合うことで、モグラがいるから植物が駄目になる、という結論に至るという、モグラにとって迷惑な誤解が広まるきっかけになったのではないかと推測しています。

それでもモグラが作物の根を傷めるのは事実です

それでも、モグラが餌を探すときに穴を掘る過程で、作物の根を傷めてしまう場合があるのは事実です。

そのため、今すぐ何とかモグラ対策をしたいという時は、モグラの優秀な嗅覚や感覚器官を逆手にとって、臭いか音による対策で、モグラを畑から追い出すという手法をとることが一般的です。

この対策は、モグラが発生させる根本的な原因を解消するものではなく、一時的なその場しのぎの手法であるということを理解してもらいたいと思います。

モグラの被害を抑えるためにも、作物の健康的な生長のためにも、土壌改良を第一に考えるようにすると良い結果を生むでしょう。

モグラ対策グッズは音を利用したものがおススメです

インターネット通販で購入ネズミ対策グッズは、超音波を利用したものか、強力な臭いを放つ薬剤をまくものかに大別されます。

自然環境に配慮するなら、薬剤をまくよりは、超音波で解決したほうが、負担が少ないように思います。

ソーラーバッテリーで動作するので、畑に設置するだけで完了しますし、自然循環型エネルギーなのでエコな仕組みなのではないでしょうか。

また、モグラの穴にネズミが住み着いてしまうという二次被害も同時に防げるので、今すぐモグラ退治をしたい場合は、お勧めの製品です。

にんじんさん
にんじんさん
モグラは畑の土のバローメーターになっているのね
たまねぎさん
たまねぎさん
モグラよりもモグラ穴に住み着くネズミが厄介なのじゃ

以上、モグラ対策なら被害が出る前に土壌改良をした方が良い理由についてお話してきました。

モグラ自体は、畑の悪い所を直してくれる、害獣どころか、むしろ救世主のような存在なのです。

ありのファームでも、畝には穴を掘らず、硬く踏みしめられた通路部分に、モグラの痕跡が良く見られます。

がっちりと固められた土の下では、空気の流れが悪くなりやすく、有機物が腐敗してしまう危険があります。

そんな腐りかけの大地に、文字通り風穴を開けてくれ、土壌改良してくれるのが、モグラなのです。

しかし、そのモグラ穴を目指してやってくるネズミが厄介。

ネズミは雑食性で、野菜の根っこもお構いなしに食べてしまいます。

モグラではなく、畑のネズミ対策を万全にする方が、畑の作物の出来が良くなるのではないでしょうか。

Yes!モグラ!
No!ネズミ!!

ABOUT ME
のっち
のっち
私は、鹿児島県志布志市にある畑で営農している個人農家です。 無農薬、無肥料、不耕起、無除草栽培で、安心安全で美味しい野菜は当たり前、環境にも優しい農業を目指しています。