家庭菜園とガーデニング

育苗方法について。直播か苗床か、練り床という手法にもチャレンジしてみた。

畑で作物を育てるとき、種から育てる方法として大きく2種類の方法があります。

  • そのまま直接畑に種をまく
  • 別の場所にまいてある程度成長してから畑に移植する

今回の記事では、それぞれの方法の簡単なやり方と、メリットデメリットをご紹介しています。

育苗方法について。直播か苗床か、練り床という手法にチャレンジしてみた。

そのまま直接畑に種をまく

直接畑の畝に、野菜の種をまく方法です。

ニンジンや大根、ゴボウなどの根菜類は、基本的に移植して育てるのに向いていません。

また、白菜や豆類など、成長に多くの水分が必要な野菜は、根を大きく伸ばさなくてはなりませんので、できれば移植しない方が良いという特徴があります。

このような、移植に向かない野菜は、畑にじかに種をまいて育成していきます。

メリットは、手間がかからず、根が傷まないこと。

デメリットは、種から芽が出たばかりの幼苗時期に、天候によって障害が出てしまったり、虫によって害されたり、雑草に負けてしまいやすいこと。

幼苗時期は、人間で例えると赤ちゃんの状態。

なので、ある程度大きくなって、天候への耐性や、病害虫に対する抵抗力がつく前に弱ってしまうことがよくあります。

マルチングをしたり、ネットをかけて虫による被害を防ぐなどの対策が必要です。

別の場所にまいてある程度成長してから畑に移植する

野菜の育成初期、幼苗期間に弱ってしまいやすいのであれば、ある程度強くなるまで人の手で守ってあげる。

そして、大きくなってから畑に植える。このような方法を移植栽培と言います。

育苗ポットやセルトレイを利用する方法

種が発芽して、大きくなるまでポットやトレイで育てることを育苗といいます。

畑とは別の場所で、専用の土を使用したり温室を利用したりと、育苗期に障害が出ないように環境を管理して種を育てていきます。

天候や病害虫、雑草などに害されることなく大きく育つので、安定して生産ができるのがメリットです。

デメリットは、直播に比べると手間がかかり資材コストも必要になります。

現在の農法では、移植に向かない野菜以外は、だいたいこの方法で育てられています。

直播と移植栽培のハイブリット 練り床という手法

  • 直播きで育てる。
  • 育苗して移植して育てる。

この2つの方法の良いとこどりの手法に練り床を活用するという栽培方法があります。

練り床とは、畑の一角に育苗を行うスペースを設けたものです。

練り床を活用することで、

  • 害虫や雑草からある程度守ることができる
  • 畑の環境に適応した苗を作ることができる
  • より強い個体を選別して育てることができる
  • ローコストで育苗を行うことができる

といったメリットが得られます。

害虫や雑草からある程度守ることができる

畑の畝にそのまま種をまくと、その場所に元からいる雑草や害虫によってやられてしまいがちですが、練り床をつくることで、いま現在成長している雑草や地面に埋まっている宿根を取り除くので、ある程度の雑草や害虫を排除することができます。

なので、直播するときよりは、ある程度幼苗を管理下に置くことができます。

畝に直接まくと、畝全体に防虫ネットなどを張る必要がありますが、練り床をりようすると、ごく狭い範囲だけ防除すれば良いので、手間も減ります。

畑の環境に適応した苗を作ることができる

移植栽培の場合、幼苗期はポットやトレイに専用の土と共に入れられ、環境の良いところで育てられます。文字通り温室育ちです。

この苗が、大きくなってからいきなり畑の畝に放り出されることになるので、環境ストレスが大きくなってしまいます。

その点、畑の一角で育てる練り床ならば、ほとんど畑の畝と同じような条件下で、幼苗期を過ぎますので、畑の条件に合った強い苗に育つようになります。

人間で例えるなら、沖縄で暮らしていたのに北海道に移住するのが移植栽培、北海道の端から北海道の中心地に移住するのが練り床、といった感じでしょうか。

より強い個体を選別して育てることができる

練り床に同じように種をまいたとしても、育成が順調なものと、そうでもない苗に分けられます。芽が出ない種もあるほどです。

その中で、畑の環境に適応して、順調に育成した苗を移植して育てたほうが、その後の育成も順調に進みます。

通常の苗床を利用した栽培方法では、畑の環境に適応して成長する苗ではなく、育苗環境に適応してよく成長した苗しか剪定できないので、本当に強い苗の見分けがつかないのかもしれません。

ローコストで育苗を行うことができる

通常の育苗方法では、育苗ポットや、育苗用のセルトレイ。場合によっては温室やビニールハウス、遮光ネットなどの資材が必要になります。

練り床では基本的に水やりもしませんので、コストがかかりにくい育苗方法と言えます。

なんちゃって練り床が完成

というわけで、それぞれメリットデメリットがある育苗方法でしたが、私は一通りチャレンジしてみることにします。

youtubeの動画で紹介されていたような、枠組み用の国産木材が調達できませんでしたので、枠組みなしで練り床を作ってみました。

直播もニンジンでチャレンジしてみましたが、まだまだ芽が出てきません。

育苗ポットでの育成は順調なようです。畑に移植したときに、どうなるかなといったところです。

ABOUT ME
のっち
のっち
私は、鹿児島県志布志市にある畑で営農している個人農家です。 無農薬、無肥料、不耕起、無除草栽培で、安心安全で美味しい野菜は当たり前、環境にも優しい農業を目指しています。