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セルトレイの種まきのコツ 上手に育苗するには温度管理と水管理が大切

種まきから苗を作るときに使用するセルトレイの使い方についてご紹介してきます。

セルトレイで上手に育苗するときに気を付けたいことは、

  • 育苗用の土を用意する
  • 水切れに注意する
  • 日差しに気を付け温度管理をする
  • 防虫対策をしっかりする
  • 間引く時に根を傷めないようにする
  • 根鉢が回りきらないうちに定植する

こんな感じ。

この記事を読むことで、セルトレイを使うときに気を付けたいポイントを知ることができます。

セルトレイの種まきのコツ

セルトレイは、種を育苗するときに、適切な環境で管理しやすくなるとても便利な道具です。

利点として、畑に種を直播するときに比べて天候や雑草、様々な害虫から守りやすく、育ちの良い屈強な種を選別することができます。

また、種から苗にするまで、畑の畝を使わずに育てることができるので、前作の作物からの移行のスケジュールにゆとりを持たせることもできます。

便利なセルトレイを、よりうまく使いこなすための、ちょっとしたコツをご紹介していきます。

育苗用の土を用意する

種から苗を作るとき、幼苗期と呼ばれる育成初期の段階では、雑草や病原菌への抵抗が弱く、さまざまな問題を引き起こす可能性があります。

そのため、育苗するときは、畑で使っているそのままの土よりも、育苗用の用土を別に用意したほうが、成長が健やかに保ちやすくなります。

畑の土をそのまま使ってしまうと、様々な雑草の種が混ざっていたり、土の中に植物にとって良くない虫や微生物などがまぎれていたり、連作障害などにみられる病原菌などが混ざっているリスクが生じます。

そのため、清潔な土を利用して種を育てるのが理想的です。

水切れに注意する

種が発芽して成長するためには、水が必要不可欠です。

セルトレイの一つ一つの穴はとても小さく、水やりを怠ると、すぐさま水切れになってしまいます。

植物の種類によっては、水切れを極端に嫌う種類もあり、しっかりと冠水してやる必要があります。

注意したいのが、まんべんなく水を与えているつもりでも、セルトレイの端の方は水が行き届きにくくなっている傾向にあります。

特に端の方、セルトレイの外周部分には注意して潅水するように気を付けると良いです。

日差しに気を付け温度管理をする

セルトレイのそれぞれの穴に入っている土の量はとても少ないです。

そのため、日光によって土の温度が上昇しやすいという特徴があります。

植物の種類にもよりますが、だいたい20~25℃の間で発芽率が高まります。

そのため、日差しが強い夏場や、気温が低くなる冬場には、植物にとって最適な環境になるよう配慮してあげる必要があります。

夏は遮光カーテンなどを使って日差しを和らげたり、冬は室内の明るい場所やビニールハウスなどを活用して、発芽しやすい環境を整えてあげましょう。

こちらの動画も参考になさってみてください。

防虫対策をしっかりする

畑に直播するときに比べて害虫の心配はあまりありませんが、防虫ネットで覆っておくなど最低限の害虫対策はしておいた方が無難です。

幼苗期は、種の中に蓄えられた栄養素だけで根を張り、葉を広げ、外から栄養を吸収する準備を整える期間です。

このタイミングで虫害にあってしまうと、栄養を吸収できないのに、栄養を吸収するための手段が閉ざされてしまうので、そのまま駄目になってしまいやすいのです。

間引く時に根を傷めないようにする

間引く際は、雑草取りのように手で直接引っこ抜いては駄目です。

他の残したい方の芽の根を傷めてしまうことが多いので、地上部分のみを切り取るように間引きます。

このとき間引いた苗の根は、残したままでも大丈夫です。次第に微生物などによって分解され、土に還っていきます。

先の細長い、芽切りばさみなどを使って、他の苗を傷めないように、間引く苗だけ切り取るように注意しましょう。

根鉢が回りきらないうちに定植する

セルトレイである程度育ってきたら、いよいよ定植に移ります。

このとき、あまりにも長い間セルトレイで育成してしまうと、苗の根がぐるぐると行き場を失ってしまい、根鉢を作ってしまいます。

こうなってしまうと、定植した後の成長が思わしくないので、あまりセルトレイの中で過ごす時間が、長くなり過ぎないように注意します。

植物の種類によって、どのくらい成長したタイミングで、畑に定植すればよいのかは違ってきますが、だいたい本場が4~5枚くらいに育った時に植え替えると良いようです。

セルトレイの種まきに便利な播種機

セルトレイは規格にもよりますが、だいたい1枚に128穴ほど開いています。

なので種を植えるときに、一粒ずつ種を落としていくときの労力が、結構大変です。

そんな時に便利なのが手動式の播種機です。

種を投入口にまとめてセットしておき、セルトレイの上でスライドされると、セルトレイの穴に一粒ずつ種をまいてくれるという便利グッズ。

目がショボショボしたり、一度に何粒もまいてしまうストレスから解放されます。

セルトレイに種を入れていくのって、地味に首や肩が凝って辛くないですか?

らくらく簡単快適な作業をお望みでしたら、ぜひ検討してみてください。

セルトレイからの移植には苗移植機が便利

セルトレイから畑の畝に移植するのって、いちいち腰をかがめて穴を掘って、苗を植えなくてはなりませんよね。

この時の労力が結構半端なく大変です。

腰にきませんか?

膝、痛くなったりしていませんか?

たったまま、片手で苗の定植ができる便利グッズがあるんです。

重さは1.3kgと軽く、たったまま作業できるので、ひざや腰への負担が大幅に軽減されます。

苦労は買ってでもしろという時代は終わりです。これからはいかに楽に効率よく作業するかがとっても大事。

農作業は体が資本なんです。労わってあげましょうよ。

ABOUT ME
のっち
のっち
私は、鹿児島県志布志市にある畑で営農している個人農家です。 無農薬、無肥料、不耕起、無除草栽培で、安心安全で美味しい野菜は当たり前、環境にも優しい農業を目指しています。