自然界に普通に存在していて、野菜にも含まれている硝酸塩。
ですが、この硝酸塩を食べることで、体に不調をきたすリスクがあるということがわかってきました。
硝酸塩を食べた後、消化器官で亜硝酸へと姿を変えると、メトヘモグロビン血症や発ガン性物質であるニトロソ化合物の生成に関与するおそれがあるんだそう。
そこで、この記事では野菜から硝酸塩を減らす方法をご紹介していきます。
- 野菜はゆでて、水冷し、水切りをして食べる
- 野菜を塩漬けにし、水洗いして、絞って食べる
- 硝酸塩が少ない野菜を食べるようにする
こうすることで、野菜から硝酸塩を減らすことができるのです。
野菜から硝酸塩を減らす方法 発がん性物質との上手な付き合い方
硝酸塩とは、硝酸イオン(NO3-)と金属イオンなどが結合した化合物のことを言います。
例えば、日本で認可されている食品添加物の、硝酸カリウム(KNO3)や硝酸ナトリウム(NaNO3)のことを言います。
硝酸塩の特性として、水に溶けやすいという性質をうまく利用することで、野菜に含まれる硝酸塩を取り除くことが可能になります。
硝酸塩を減らすには、野菜はゆでて、水冷し、水切りをしてから食べる
野菜の硝酸塩量を減らすのに、一番簡単な方法は、野菜を茹でること。
- 野菜を茹でる
- 茹でた野菜を水で冷やす
- 水で冷やした野菜を絞って水切りする
野菜を茹でるだけでも、硝酸塩除去に多少の効果が期待できますが、調理工程を増やして、水冷から絞って水切りまでこなすことで、減少割合が大きくなります。
硝酸塩は水に溶けやすい性質をもっています。
硝酸塩は、野菜が根から吸収した肥料分を、細胞の中にため込むことで、含有量が蓄積されます。
ですので、お湯でゆでた後、できれば絞って細胞を壊し、中にたまった硝酸塩を、水分といっしょに排出するという工程が重要なのです。
野菜を塩漬けにし、水洗いして、絞って食べる
野菜を塩漬けにし、漬物のとして食べることも、硝酸塩を減らすのに一定の効果が見られます。
- 野菜に塩をまぶして塩漬けにする
- 塩漬けにした野菜を水洗いする
- 水洗いした野菜を手で絞る
塩漬けをすることで、野菜の水分が外に出ます。
硝酸塩は、水に溶けやすい性質を持っているので、野菜の水分が塩漬けにすることで脱水されるときに、一緒に外に排出されるという仕組み。
その後、水洗いし、手で絞ることで、細胞の内部にたまっていた硝酸塩を、水分といっしょに排出させることで、野菜の硝酸塩含有量を低減させることができるのです。
硝酸塩が少ない野菜を食べるようにする
そもそも、もとから硝酸塩があまり含まれていない野菜を食べるようにする、という対策方法もあります。
硝酸塩は、土の中に存在しており、野菜が根から栄養を吸収することで、蓄積されていきます。
通常は、植物が光合成で作った糖分と、硝酸塩とを過不足なく混ぜてたんぱく質を作り、体を成長させていくのです。
しかし、化学肥料などで土の中の肥料分が多くなりすぎると、使い切れずに余ってしまった硝酸塩が、野菜の細胞の中に蓄積されていきます。
その結果、硝酸塩がたくさん含まれた野菜が出来上がるのです。
つまり、硝酸塩が少ない野菜とは、肥料をあげ過ぎずに育てた野菜のこと。
一般的には、化学肥料を使って育てた野菜よりも、有機肥料で育てた野菜のほうが、硝酸塩が少ない野菜といえるでしょう。
調理方法だけでは硝酸塩を完全には除去できない
対策としてあげた調理方法だけでは、硝酸塩を完全には除去できません。
せいぜい50%ほどしか減らすことができないのです。
また、葉物野菜よりも、根菜類の野菜のほうが、硝酸塩の除去が難しいという結果が出ています。
さらに、同じく水に溶けやすく、また熱に弱いとされるビタミン類も、硝酸塩と一緒に流れ出てしまうというデメリットもあります。
なので、一番の対策方法は、硝酸塩のあまり含まれてない野菜選びである、ということができます。
詳しくは、農林水産省のホームページにも記載されているので、ぜひ一度目を通してみてください。
硝酸塩とは、硝酸イオン(NO3-)と金属イオンなどが結合した化合物のことを言います。
硝酸カリウム(KNO3)や硝酸ナトリウム(NaNO3)などが、硝酸塩と呼ばれます。
硝酸イオンとは、 NO3- のこと。
1個の窒素原子(N)と3個の酸素原子(O3)からなる、原子のまとまりのことを言います。
電子を受け取って負の電荷を帯びた、1価の陰イオンなので、マイナス(-)が表記されています。
硝酸態窒素とは、硝酸カリウム(KNO3)や硝酸ナトリウム(NaNO3)や硝酸イオン(NO3-)に含まれる「N」のこと。
硝酸イオン(NO3-)の状態に収まっている窒素(N)のことを、硝酸 態 窒素 と呼ぶのです。
読んで字のごとくといった感じですね。