有機農家とオーガニック野菜

オーガニック野菜が美味しい理由 化学肥料と有機野菜の違い

有機肥料で育てたオーガニック野菜が、化学肥料で育てた野菜よりも美味しいと感じるのには理由があるんです。

それは、有機野菜のほうが根から吸収する肥料成分が栄養豊富だからなんです。

え?化学肥料も、有機肥料も、おなじ肥料なんじゃないの?

はい。少し前までは、どんな肥料を使っていたとしても、根から吸収される肥料成分は同じだと考えられてきました。

ですが最近の研究で、化学肥料と有機肥料とでは、野菜が根から吸収する肥料成分に、違いがあることがわかってきたのです。

オーガニック野菜が美味しい理由 化学肥料と有機野菜の違い

野菜が育つときに必要な肥料成分は、大きく3つあります。

  • 窒素
  • リン酸
  • カリウム

このうち、特に植物の体を作り、成長に欠かせない成分が窒素。

化学肥料で野菜に栄養を与えるときは、窒素がそのまま植物に吸収されます。

しかし、有機肥料で野菜に栄養をあたえると、窒素とアミノ酸がくっついた状態で吸収されることが、わかってきたのです。

栄養価の高い肥料が吸収できるから野菜が美味しく育つ

植物は、太陽の光を浴びて光合成をします。

光合成では、空気中の二酸化炭素を取り込み、根から吸い上げた水と合わせて、糖分などの炭水化物を作っています。

そして、根から吸収した窒素と炭水化物を合わせて、アミノ酸をつくります。

それから出来上がったアミノ酸を複数組み合わせて、たんぱく質を作り、たんぱく質によって体を成長させているのです。

これが化学肥料で野菜が育つ仕組みです。

対して有機肥料で、育つ野菜はというと。

光合成で、空気中の二酸化炭素を取り込み、根から吸い上げた水と合わせて、糖分などの炭水化物を作っています。

そして、根から吸収したアミノ酸付きの窒素と炭水化物を合わせて、たんぱく質と窒素が出来上がり、炭水化物が余ります。

たんぱく質で体を成長させて、あまった炭水化物は葉に栄養を蓄えたり、実を甘くすることに使います。

余った窒素も、体の成長に使えます。

これが有機肥料で野菜が育つ仕組みです。

どうです?違いが分かっていただけたでしょうか。

有機肥料は、化学肥料と違って、有機物という自然界に存在する栄養豊富な成分で作られています。

なので、植物が根から吸収する肥料成分も化学肥料の時と比べて高栄養価なため、植物の成長に大きな差を生んでいるのです。

栄養豊富な肥料成分を取り込むことで悪天候にも強い

有機肥料で育てた場合、根から吸収する成分にアミノ酸が含まれています。

これは、光合成で作られる炭水化物をつかって、植物がつくる物質と一致します。

ということは、根からアミノ酸を十分に吸収することが出来れば、光合成は必要ないということが出来ます。

つまり、長雨続きで日の光があまり差さない悪天候であっても、十分な成長が見込めるということが言えるのです。

また、光合成は気温が低くなり過ぎていても阻害される傾向があります。

なので、冷害による野菜の不作にも対抗することが出来るのです。

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のっち
のっち
私は、鹿児島県志布志市にある畑で営農している個人農家です。 無農薬、無肥料、不耕起、無除草栽培で、安心安全で美味しい野菜は当たり前、環境にも優しい農業を目指しています。