ハーブと言えば、ミントをまず思い浮かべてしまうほど、広く一般的に知られているミント。
日本では大きく3つの種類に分類することが出来、香りや利用法が微妙に違ってくるんです。
- スペアミント
- ペパーミント
- 和ハッカ
今回は、この3つの種類のミントについてご紹介したいと思います。
ミントの見分け方スペアミントとペパーミントとハッカの違い
スペアミントと、ペパーミントと、和ハッカの分類は、それぞれのミントに含まれている香り成分の違いで分けることが出来ます。
- スペアミントの香り成分は、l-カルボン(えるかるぼん)という成分が主
- ペパーミントの香り成分は、l-メントール(えるめんとーる)という成分が主
- ハッカの香り成分は、l-メントール(えるめんとーる)という成分が主
それでは、詳しく解説していきたいと思います。
スペアミントは甘くさわやかなグリーンの香
スペアミントは、ミントの中でも特に繁殖力が強く、他のミントと一緒に栽培していても、スペアミントが他を押しのけて独壇場になるほどです。
世界を見渡してみると、ミントの生産量が多い国にアメリカとインドとカナダなどがあげられますが、アメリカでは8割以上がスペアミントで占められています。
スペアミントの利用方法は、優しい香りを生かして、葉を生のままでお菓子やお茶に入れることが多いです。
欧米では料理に使うミントと言えば、スペアミントをさすようで、ラム肉にソースとして合わせるためにラムミントとも呼ばれています。
原産国はヨーロッパで、日本には19世紀ごろオランダから伝えられたことから、オランダハッカとも呼ばれています。
ペパーミントはスッと刺激的な胡椒のような清涼感のある香り
ペパーミントは、その名の通り、胡椒のような刺激的な香りが印象的なハーブです。
歯磨き粉やチョコレートミントに代表されるような、印象的な清涼感を伴ったミント製品は、こちらのペパーミントを利用したものが多いです。
ペパーミントはもともと、地中海沿岸を中心にヨーロッパに広く原産する湿地植物のウォーターミントとスペアミントが交わってできた品種であるとされています。
ペパーミントの中でも、ウォーターミントに近い特性を持つ茎の黒っぽいブラックペパーミント種と、スペアミントに近い特性を持つ茎が緑のホワイトペパーミント種に分かれます。
香りの強さは、ブラックペパーミント>スペアミント>ホワイトペパーミントといったところでしょうか。
ブラックペパーミントは強い香りをいかした、ホワイトペパーミントは柔らかな香りを生かした利用法で愛されています。
ちなみに、キャンディーミントと呼ばれる、ブラックペパーミントのなかでも特に香りの強い選抜品種が、私個人としてはいちばんのお気に入りです。
日本原産のハッカはメントールの量が多い特別なミント
ハッカは、缶に入ったドロップでおなじみの、刺激的な清涼感のある和ハーブです。
主な香り成分はl-メントールで、ペパーミントと同じなのですが、ハッカは香り成分の含有量がとても多いことが特徴です。
ミントの中で、唯一メントールの結晶を生成することができる品種と言われるくらい、濃厚な香りをもっているのです。
かつては、北海道でハッカの生産量が世界一を誇っていました。
戦争や、海外の生産技術の向上、人工ハッカ成分の台頭など、いろいろな原因が重なり今ではごく少量の生産がなされているだけになってしまっています。
現在はインドで、ハッカの生産が盛んにおこなわれています。