ありのファームでは、化学肥料はもちろん、有機肥料の使用も制限しています。
- 化学肥料は使わない
- 有機肥料のうち動物性のものは使わない
- 雑草や野菜くずを土の上にかぶせ堆肥とする
- 米ぬかを補いとして土に振りかける
肥料に関係する栽培方法のこだわりはこの4つ。
どうして、このようなルールを作ったのか、お話ししたいと思います。
化学肥料と有機肥料を避ける理由 栽培方法のこだわりを語ってみる
戦後、昭和の時代に行われてきた、化学肥料をつかって野菜を安定的に大量生産する方法を慣行農法。
農薬の使用を控え、油粕や牛糞などの植物性や動物性の有機肥料をつかって生産することを有機農法と呼びます。
ありのファームでは、農薬を使用せず、刈り込んだ雑草や野菜残渣を植物性堆肥として利用する、自然農という農法を採用しています。
化学肥料は使わない
化学肥料は、空気中の窒素や地下資源の鉱物などの無機物を原料としています。
特徴として、肥料の効果が表れるまでのタイムラグが短いことと、肥料の効果が長く持続しないことが挙げられます。
私が化学肥料を使わない理由はおおきく3つです。
- 人体への悪影響が懸念されるから
- 化学肥料を使うことで土が痩せてしまうから
- 化学肥料を使うと害虫被害にあいやすくなり農薬が必要になるから
有機肥料のうち動物性のものは使わない
有機肥料は、菜種油の搾りかすや牛糞などの、植物性/動物性の有機物を原料としています。
特徴として、肥料の効果が表れるまでのタイムラグが長いですが、肥料の効果が長く持続し、土の質を良くしてくれる働きもあります。
私はこのなかで、動物性の有機肥料の使用を避けています。
その理由はおおきく2つ
- 牛糞や鶏糞肥料のもとになった、動物の餌について不透明な部分が多いから
- 有機肥料を畑にまいた後の、肥料分の流出が環境負荷になっているから
雑草や野菜くずを土の上にかぶせ堆肥とする
私の畑では、こうした理由で、化学肥料と有機肥料の使用を制限しています。
では、肥料をまったくやらないのかというと、厳密には違います。
まず伸びすぎた雑草や、収穫した後の野菜くず(植物残渣)を、畑の土の上に広げて乗せておくということをします。
刈り取られた植物を土の上に乗せることで、虫や微生物などの土壌生物たちの餌となって分解され、黒っぽい物質に姿を変えるという現象がおこります。
微生物たちに分解されることによって生まれた黒っぽい物質を腐植と呼び、この腐植が野菜を育てる肥料成分としての効果を発揮してくれるのです。
私の畑ではこの腐植が、植物性の有機肥料として野菜の生長に力を貸してくれているのです。
米ぬかを補いとして土に振りかける
私の畑では、基本的に雑草と野菜くずを植物性の有機肥料として活用しています。
ですが、これだけでは、どうしても肥料分が不足してしまうことがあります。
その時に、補いとして足してあげるのが、米ぬかです。
この米ぬかは、ありのファームが所有する水田で育てたお米から採取しているので、出所も確か。
すぐ隣の水田から収穫したものですし、人間が全く関わらない場合そのまま水田にまかれるわけですから、畑にまいても環境負荷はかかりにくいはずです。
https://arinofarm.com/hinohikari-sibusi/
人も野菜も、お米を食べていると考えると、なんだか面白いですよね。
肥料を制限して腹八分目で育てるメリット
肥料分を制限して野菜を育てることで、いろいろなメリットがあります。
- 害虫被害に強くなる
- えぐみや苦みが少なくなる
- 野菜本来の味を楽しめる
肥料を与えすぎて育てられた野菜は、病害虫に弱くなることが知られています。
詳しくは、肥料と害虫との関係についてお話しているこちらの記事をご覧ください。
さらに、肥料を与えすぎて育てられた野菜は、味も悪くなってしまいます。
肥料を与えすぎると野菜が美味しくなくなる仕組みは、こちらの記事をご覧ください。
こうした理由で、肥料の与えすぎに気を付けて、より美味しく健康に野菜が育つというわけなのです。
以上、化学肥料と有機肥料を避ける理由 栽培方法のこだわりについてお話ししてまいりました。
野菜は、安心安全で美味しいのは当たり前の時代。
これからの農業は、自然環境にやさしい農業を目指していくべきではないか。
そう考えた時に行きついたのが、使う肥料へのこだわりだったのです。
あなたの健康と幸せ。
次世代を担う子どもたちの、明るい未来のためにも。
人にも地球にもやさしい野菜は、いかがでしょうか。